予約はまさに「争奪戦」。私が宿泊を勝ち取った方法
今回、私が「界 鬼怒川」を訪れたのは、冬の寒さが心地よい12月。 実はこの「界タビ20」、20代なら誰もが狙っている超絶人気プランなんです。
半年間の執念が実った「深夜12時」
実は、半年ほど前からずっと予約サイトをチェックしていたのですが、いつ見ても「満室」の文字ばかり……。「本当に予約できる人いるの?」と諦めかけていました。
しかし、ある日の深夜12時を過ぎた頃。 何気なくサイトを更新してみると、なんと奇跡的に空きが出ているのを発見!どうやらキャンセルが出たか、在庫が更新されたタイミングだったようです。
相談する暇はない。合言葉は「即・予約」
ここで一つ、これから予約を狙う皆さんに伝えたい鉄則があります。 それは、「一緒に行く相手に相談している暇はない」ということ。
- 平日の限られた枠しかない
- 迷っている数秒の間に他の人に取られる
- 見つけたらその場で指が勝手に動くレベルでポチる
正直、その日が本当に行ける日かどうかなんて二の次でした(笑)。「もしダメなら後で考えよう、でも今この瞬間を逃したら次は半年後かもしれない…!」という緊張感。 とりあえず予約を確定させてから、「この日、空けといて!」と強引に友人を誘う。それくらいの気合がないと、このプランを勝ち取るのは難しいかもしれません。

今回初めて鬼怒川という地を訪れましたが、そこは想像以上に、雄大な山々に囲まれた「自然の特等席」のような場所でした。
駅に降り立った瞬間に感じる、キリッと澄んだ冬の空気。見上げれば、どこまでも続く山々の稜線が視界いっぱいに広がり、都会の喧騒から切り離された別世界に来たことを実感させてくれます。

鬼怒川にはお昼頃に着きました。

宿へ向かう前に、まずは腹ごしらえ。冬の鬼怒川の冷たい風に吹かれていると、自然と体が温かいものを欲してきます。 駅前を散策していると、どこからか出汁のいい香りが漂ってきました。吸い寄せられるように入ったレストランで、迷わず注文したのは「鍋焼きうどん」です。

鍋焼きうどんで体がポカポカに温まった後は、やはり甘いものが恋しくなるもの。「食事の後はデザートに限る!」ということで、鬼怒川温泉駅のすぐ目の前にある超有名店**「バウムクーヘン工房 はちや(HACHIYA)」**へ足を運びました。
ここは、鬼怒川を訪れる観光客が必ずと言っていいほど立ち寄る、まさに「スイーツの聖地」とも呼べる場所です。


このお店の最大の魅力は、なんといっても**「出来立て」**をその場でいただけること。 工房が併設されているため、運ばれてきたバウムクーヘンからは、まだほんのりと温かい熱気が伝わってきます。オーブンから出て間もない生地は、指で触れると吸い付くようにしっとりとしていて、私たちが普段スーパーやコンビニで目にするものとは、もはや「別の食べ物」と言っても過言ではありません。

お腹も心も満たされたところで、いよいよ今回の旅のメインディッシュ、「界 鬼怒川」へと向かいます。
今回は東京から電車に揺られての旅だったので、鬼怒川温泉駅からはタクシーを使わず、あえて歩きで宿を目指すことにしました。
12月の空気を感じながらの「20分のお散歩」
駅から宿までは、ゆっくり歩いて約30分程度。 12月のキリッとした冷気が頬をかすめますが、先ほど食べた「鍋焼きうどん」と「焼きたてバウムクーヘン」のおかげで、体の中はポカポカ。
道中は、冬の装いを見せる鬼怒川の街並みや、遠くにそびえる力強い山々を眺めながらの散策です。観光地の賑やかな雰囲気から、歩みを進めるごとに少しずつ静寂が増していく過程は、日常から非日常へとスイッチが切り替わっていくようで、30分という時間もちょうど良いプロローグになりました。
宿の入り口に待ち受ける「専用スロープカー」
「あ、見えた!」と期待に胸を膨らませて到着したエントランス。しかし、驚いたことにそこにはまだ建物がありません。 実は「界 鬼怒川」のロビーは、小高い丘の上に位置しており、そこへ行くためには専用のスロープカー(ロープウェイ)に乗る必要があるんです。
宿の入り口で乗り物に乗り換えるなんて、まるで秘密の隠れ家に向かうような演出。この「離れ」に向かうワクワク感こそが、星野リゾートならではのおもてなしの始まりです。
寒さを忘れる「至福の5分間」
ちょうど前の便が出たばかりだったので、乗り場にある待機場所で少し待つことに。 「外で待つのは寒いかな?」と心配していましたが、そこにはしっかりと暖房の効いた温かい待合室が用意されていました。
この細やかな気遣いが、さすが星野リゾート。 12月の外気で少し冷え始めていた体が、ふんわりとした暖かさに包まれます。

ついに辿り着いた「界 鬼怒川」のエントランス。そこで私たちを真っ先に迎えてくれたのは、息を呑むほどに美しい中庭の景色でした。

今回宿泊したお部屋です。

中庭の散策を終え、案内されたお部屋の扉を開けた瞬間。そこには、さらなる感動が待っていました。
何よりもまず目を引いたのは、壁一面と言っても過言ではないほど、大きく取られた開放感あふれる窓です。
時間が止まったような、窓辺の特等席
窓の向こう側に広がっていたのは、冬の装いを見せる鬼怒川のありのままの自然でした。12月の少し寂しげで、でも凛とした表情の山々や木々が、まるで大きなスクリーンに映し出された映画のように目の前に迫ります。
お部屋に用意された椅子に深く腰掛け、ただぼーっと外を眺めていると、不思議な感覚に陥りました。 スマホの通知に追われ、分刻みのスケジュールで動く日常とは対極にある、「何もしない贅沢」。
刻一刻と変化する光の当たり方や、風に揺れる枝先。そんな小さな自然の動きを追いかけているだけで、驚くほど心が穏やかになっていくのが分かります。都会で過ごす1時間とは明らかに違う、ゆったりと、それでいて濃密な時間がそこには流れていました。 「あぁ、この景色を見るために、あの予約争奪戦を勝ち抜いたんだな……」と、改めてこれまでの苦労が報われた瞬間でした。

お部屋で窓からの絶景をひとしきり堪能し、心の準備が整ったところで、私たちは吸い寄せられるように大浴場へと向かいました。
「界 鬼怒川」の温泉は、ただお湯に浸かるだけでは終わりません。お風呂上がりの楽しみとして用意されている、至れり尽くせりの湯上がりでのサービスが、私たちのテンションをさらに引き上げてくれました。


温泉と湯上がりのアイスで心身ともに解きほぐされ、ちょうどお腹も空いてきた頃。いよいよ待ちに待った夕食の時間がやってきました。
食事会場へと向かうため、一度お部屋を出て廊下を進みます。すると、昼間に歩いたあの中庭が、夜の帳が下りるとともに幻想的な光の庭へとその姿を変えていました。

幻想的なライトアップに彩られた中庭を抜け、ついに夕食の会場へと足を踏み入れます。
今回の夕食は、「17時半」と「19時半」の2つの時間帯から選ぶことができたのですが、私たちはあえて「19時半」からの遅めのスタートを選択しました。

メニュー表はこちらになります。










運ばれてきた一皿一皿に感動しているうちに、宴もいよいよフィナーレへ。 お料理の質はもちろん、運ばれてくるタイミングやスタッフの方の心温まる解説まで、すべてが完璧だった会席料理でした。その最後を締めくくる**「デザート」**が、これまた期待を裏切らない素晴らしさでした。

夕食終わりにはフロントで何かイベントが行われていました。我々は参加しませんでした。

お昼の到着時には、あまりのワクワク感と周囲の景色に夢中になりすぎて、つい写真を撮り損ねてしまったのですが、この宿の象徴とも言えるのが専用のロープウェイ(スロープカー)です。

翌朝の中庭の風景です。

昨日の夕食と同じ場所で朝食です。




「界 鬼怒川」で迎えた清々しい朝。 楽しみはまだまだ終わりません。昨夜の感動も冷めやらぬまま、私たちは朝の光が差し込む食事会場へと向かいました。
12月の冷え込んだ朝、湯気が立ち上る朝食をゆっくりと味わう時間は、最高に贅沢なひととき。一つひとつの味付けが丁寧で、一口食べるごとに「あぁ、日本人に生まれてよかった…」と、心がじんわりと温まっていくのを感じました。
「12時チェックアウト」が生む、極上の余白
そして、個人的に一番「最高だ!」と感じたのが、チェックアウトが12時という、星野リゾートならではのゆとりある設定です。
多くの旅館は10時や11時チェックアウトが多い中、12時まで居られるというのは、心に大きな余裕をくれます。朝食をしっかり食べた後、慌てて荷物をまとめる必要がないのです。
私たちは、食後の腹ごなしに再び温泉へと向かいました。 朝の光に照らされた露天風呂は、昨夜の幻想的な雰囲気とは一変し、キラキラと輝く木々を眺めながらの爽快な入浴タイム。チェックアウト間際の大浴場は人も少なく、まるで自分たちのためだけに用意されたプライベート温泉のような静寂に包まれていました。
最後の1分まで「界 鬼怒川」を堪能する
お風呂から上がった後も、まだ時間には余裕があります。 お部屋に戻り、あの大きな窓の前の特等席に腰掛けて、最後のお茶を一杯。 「帰りたくないね」「また半年間頑張って予約取ろうね」と、友人と今回の旅の思い出を語り合いました。
結局、私たちは12時ギリギリまで、この素晴らしい空間を余すことなく堪能しました。 時間に追われることなく、最後の最後まで「のんびり」を貫ける。これこそが、大人の休日の醍醐味なのかもしれません。

12時ギリギリまで「界 鬼怒川」の贅沢な空間を堪能し、心身ともにフルチャージされた私たち。せっかく初めて鬼怒川温泉にやってきたのですから、そのまま帰るのはもったいない!ということで、宿をチェックアウトした足で、鬼怒川屈指の観光名所へと向かいました。
目的地は、宿からもほど近い「鬼怒川温泉ロープウェイ」です。


地図を確認してみると、ロープウェイの乗り場から駅前までは、歩くとおそらく1時間程度はかかってしまう距離。 12月の澄んだ空気の中をお散歩するのも素敵ですが、さすがに宿の往復や山頂散策で歩き回った足には、1時間の道のりは少々ハードです。
「どうしようか?」と相談していたところ、ちょうど良くロープウェイ乗り場から駅前まで直行できるバスが出ているのを発見! 迷わず飛び乗ると、車窓からは先ほど自分たちの足で歩いた景色が、また違った角度で流れていきます。重い荷物を抱えた旅人にとって、このバスの存在はまさに「砂漠のオアシス」のような有り難さでした。
旅の締めくくり。お昼過ぎの「最後のご馳走」

バスに揺られること数分、無事に駅前へ到着。 時刻はお昼を少し過ぎた頃。朝食をあんなにたっぷり頂いたはずなのに、山頂の冷たい空気に触れたせいか、お腹はすっかり「ランチタイム」を告げていました。
「最後に、もう一度この街の味を噛み締めよう」
そう決めて、駅前の活気あるエリアで最後のお昼ごはんをいただくことにしました。 お昼時を少し回っていたおかげで、店内はどこか落ち着いた雰囲気でした。




お昼ごはんを終えて駅前の広場に向かうと、そこには今回の旅のフィナーレを飾るにふさわしい、SL大樹(たいじゅ)が、まさに出発しようとしている瞬間に立ち会うことができたのです!

電車までまだ時間があったため、有名な橋にも最後に行きました。

今回の旅は、宿や観光だけでなく「移動」も楽しみの一つでした。実は、行きと帰りで異なる特急列車を予約するという、ちょっとした乗り鉄気分も味わってきたんです。
行きはスマートに「リバティ」で、帰りは話題の「スペーシア X」
行きは、洗練されたデザインがかっこいい**「リバティ」を選択。そして帰りは、2023年にデビューしたばかりの最新型特急「スペーシア X」**を予約していました。
平日ということもあってか、どちらの車内も驚くほどガラガラ。静かな車内で、窓の外に流れる栃木の冬景色を独り占めしているような、優雅な移動時間になりました。特に帰りのスペーシア Xは、その白く美しい車体と、鹿沼組子をモチーフにした窓枠がとてもおしゃれで、乗る前からテンションが上がります。
憧れの「雲の上の特等席」
車内を少し覗いてみて驚いたのですが、スペーシア Xには、私たちが座ったレギュラーシート以外にも、とんでもなく豪華な席が存在していました。

最新型特急「スペーシア X」の豪華な個室やカフェカウンターに目を奪われつつも、今回私たちが予約したのは一番リーズナブルな「レギュラーシート」。
けれど、実際に座ってみて驚きました。「一番安い席」なんて呼ぶのが申し訳ないほど、シートはふかふかで座り心地が良く、足元も広々。コンセントもしっかり完備されていて、移動時間はこれ以上ないほど快適だったんです。
鬼怒川温泉、また「冬」に戻ってきたい場所
今回の旅の目的は、あくまで「界 鬼怒川に泊まること」でした。 正直に言えば、最初は宿のことばかり考えていて、鬼怒川という場所自体にはそこまで強いこだわりがあったわけではありません。
けれど、実際にこの土地に降り立ち、12月の澄んだ空気に触れ、山々の懐に抱かれた2日間を過ごしてみて、すっかりこの街の虜になってしまいました。
- キーンと冷えた冬の朝、顔に当たる冷たい風と温泉の熱さのコントラスト。
- 駅から宿まで、息を切らして歩いたからこそ出会えた景色。
- 街を歩けば漂ってくる、出汁の香りとバウムクーヘンの甘い匂い。
「あぁ、いい場所だな」
心からそう思えたのは、きっと「界 鬼怒川」という素晴らしい宿と、この鬼怒川の豊かな自然が、最高の形で溶け合っていたからだと思います。

コメント